醤油を一言でいうと
蒸した大豆といった小麦で麹を造り、食塩水と一緒に仕込んで「もろみ」にし、何か月もねかせてから搾った液体の調味料です。日本で「しょうゆ」といえば、全国の消費量の約8割を占める「こいくちしょうゆ」を指すほどだと、しょうゆ情報センターは書いています。
| どこで | 日本(古代中国の「醤」が元とされる) |
|---|---|
| 何から | 大豆・小麦・塩(しょうゆの種類で割合が変わる) |
| 寝かせる時間 | 本醸造のこいくちで約6〜8か月。たまりはほぼ1年、しろは約3か月 |
| 働く微生物 | 麹菌・酵母・乳酸菌 |
| 納豆との違い | 塩水に仕込む。麹を使う。豆は最後に搾って液だけにする |
食べ方: 香川の郷土料理「しょうゆ豆」
農林水産省の「うちの郷土料理」は、香川県の「しょうゆ豆」を載せています。干したそら豆をいって、熱いうちに醤油・砂糖・唐辛子の調味液に漬ける料理です。煮豆と違い、漬ける前に豆をいるので、軽くかむと口の中でぽろっとくだける食感になります。
材料(4人分)
- 干したそら豆 1カップ
- 唐辛子 2本
- 砂糖 大さじ3〜5
- こいくちしょうゆ 1/2カップ
- 水 1カップ強
作り方
- そら豆を、ほうろくか厚手のフライパンに入れ、弱火で20〜30分、芯まで火が通るようにじっくりいる
- 鍋に砂糖・しょうゆ・水と、種を取って輪切りにした唐辛子を入れて煮立たせる
- いった豆を熱いうちにジュッと入れ、ふたをして一晩おく
- 少しかたければ、弱火で20〜30分炊くとやわらかくなる
同じページによると、いった豆を2〜3時間水につけてから漬ける作り方もあり、その時は調味液の水を1/2カップほどに減らします。讃岐でしょうゆ豆づくりが始まったのは江戸時代と考えられていて、四国八十八か所を巡るお遍路さんをもてなすためにいっていたそら豆が、近くの醤油のつぼに転がり込んだのが始まり、という言い伝えもあるそうです。今はおせちで黒豆の代わりに食べる家もあります。
作り方の記録
しょうゆ情報センターは、こいくちしょうゆの昔ながらの作り方「本醸造方式」を、次のように書いています。
- 蒸した大豆(脱脂加工大豆)と、いった小麦をほぼ同じ量混ぜ、種麹を加えて麹を造る。
- 麹を食塩水と一緒にタンクに仕込み、もろみにする。
- かき混ぜを重ねながら、約6〜8か月ねかせる。麹菌・酵母・乳酸菌などが働いて分解と発酵が進み、色・味・香りが生まれる。
ほかの種類は、作り方が少しずつ違います。
- うすくち: 色を淡くするために塩を1割ほど多く使い、米を糖化させた甘酒を使う。もとは関西生まれ。
- たまり: おもに中部地方。主な原料は大豆で、小麦はごくわずか。蒸した大豆で「味噌玉麹」を造り、食塩水で仕込んで、底にたまった液をくみかけながら、ほぼ1年ねかせる。
- さいしこみ: 食塩水の代わりに、搾ったしょうゆでもう一度仕込む。
- しろ: 愛知県碧南市生まれ。主な原料は小麦。約3か月、なるべく低い温度で保つ。
納豆と比べると
大豆を蒸すか煮る所までは同じですが、納豆は塩を入れずに枯草菌(Bacillus subtilis)で発酵させ、豆の形のまま食べます。醤油は小麦と合わせて麹を造り、塩水の中で麹菌・酵母・乳酸菌が何か月も働いたあと、豆は搾られて液だけが残ります。たまりしょうゆは、味噌と同じように大豆の玉に麹をつけて作り、味噌に近い作り方です。
記録に残る、醤油の始まり
しょうゆ情報センターによると、醤油の元は古代中国の「醤(ジャン)」とされ、701年の大宝律令では、宮内省の大膳職に属する「醤院(ひしおつかさ)」で大豆の醤を作っていたとされます。1254年、禅僧の覚心が中国から径山寺(きんざんじ)味噌の作り方を持ち帰り、その味噌から分かれた液が「たまりしょうゆ」の始まりとされています。「醤油」という言葉が初めて文献に出てくるのは、1597年の『易林本節用集』です。江戸時代にこいくちしょうゆが広まり、すし・そば・かば焼きなどの江戸の料理ができあがった、と同じページは書いています。
出典
- 農林水産省「うちの郷土料理 しょうゆ豆 香川県」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/shouyu_mame_kagawa.html
- しょうゆ情報センター「製法」 https://www.soysauce.or.jp/knowledge/process
- しょうゆ情報センター「歴史」 https://www.soysauce.or.jp/knowledge/history
このページは2026年10月15日に出典を開いて書きました。料理・製法は記録の紹介です。
