干し納豆を一言でいうと
できた納豆に塩と粉をまぶし、天日で乾かした食べ物です。日本では、茨城県水戸の干し納豆と、熊本県に伝わる「こる豆」が、農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」に載っています。
| どこで | 茨城県(水戸)、熊本県(宇城・上益城ほか県内全域) |
|---|---|
| 材料 | 納豆、塩、小麦粉や片栗粉 |
| 干す | 天日で数日。空気の乾いた冬が作りやすい |
| 食べ方 | そのまま、お茶請け、酒のつまみ、茶漬け |
水戸の干し納豆
農林水産省の図鑑は、茨城県の納豆のページで、経木やわらに包む納豆と並べて、納豆を乾かした干し納豆を紹介しています。コリコリとした歯ごたえがあり、お茶請けや酒のつまみとして食べられている、と書かれています。
今も茨城県で干し納豆を作る会社があります。ふるさと納税のサイトに載る八千代町のいばらき食品工業の説明では、天日干しの製法で、機械を使わず1つずつ作っているとしています。同社の商品の原材料は、大豆・納豆菌・食塩・小麦粉に、七味唐辛子や青のりを加えた物で、常温で150日持つと表示されていました。
水戸の干し納豆がいつ始まったかを書いた公的な資料は、このページを書いた時点では見つけられませんでした。
熊本の「こる豆」
熊本県では、納豆を天日で干した保存食を「こる豆」と呼びます。農林水産省の図鑑による作り方は、次のとおりです。
- 納豆に塩をふり、味をなじませる。
- 小麦粉(片栗粉や米粉でもよい)をかけて混ぜ、平らな所に広げる。
- 天日で2〜5日ほど干し、好みの硬さにする。
空気の乾いた冬が作りやすく、できた物は常温で長く持つ、と書かれています。熊本日日新聞社の「くまにち すぱいす」のレシピ(2023年)は、長く持たせたい時はカラカラになるまで乾かし、乾燥剤と一緒に密封容器に入れる、としています。
始まりは、文禄の役(1592〜1593年)で加藤清正の熊本の部隊が朝鮮に出兵した時だと考えられています。名前には2つの説があります。食べ残した煮豆と干し味噌が馬の体温で発酵して「香ばしい豆」になり、「香る豆」が「こる豆」になったという説。煮た大豆をわらの袋に入れたら納豆ができ、加藤清正が「この豆はうまい」と言った「この豆」が「こる豆」になったという説です。食べ方は、そのまま、またはお茶漬けや酒の肴です。
干して持たせる、世界の仲間
納豆を干して長く持たせる作り方は、日本の外にもあります。タイ北部のトゥアナオは、つぶして薄い円盤にし、天日で干すと何か月も持ちます。ネパールのキネマは、3日ほど天日で干すと半年ほど持ち、水で戻してスープにします。日本の干し納豆はそのままかじり、東南アジアやヒマラヤの干した物は料理の味のもとにする、という違いがあります。
出典
- 農林水産省「にっぽん伝統食図鑑 納豆 茨城県」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/natto_ibaraki.html
- 農林水産省「にっぽん伝統食図鑑 こる豆 熊本県」 https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/traditional-foods/menu/korumame.html
- くまにち すぱいす(熊本日日新聞社)「熊本に古くから伝わる保存食品 こるまめ(干し納豆)【おうちでCOOK】」2023年8月2日 https://spice.kumanichi.com/gourmet/recipe/ouchi-de-cook/137926/
- ふるなび「干納豆詰め合わせ」(茨城県八千代町・いばらき食品工業) https://furunavi.jp/product_detail.aspx?pid=485695
- ふるなび「干納豆詰め合わせ」(同・原材料と保存の表示) https://furunavi.jp/product_detail.aspx?pid=613425
このページは、上の出典を開いて確かめ、2026年10月15日に書きました。商品の表示は確かめた時点の物です。
