チョングッチャンを一言でいうと
朝鮮半島で作られてきた、煮た大豆を2〜3日だけ温かい所に置いて作る納豆の仲間です。糸を引き、塩を入れずに作れます。日本と大きく違うのは呼び方と食べ方で、「チョングッチャン」と言うと、ふつうは豆そのものより、豆を溶かして煮込んだ汁物(チゲ)を指します。
| どこで | 朝鮮半島(韓国) |
|---|---|
| 何から | 大豆(仕込みに塩は入れない。後から塩や唐辛子を混ぜることがある) |
| 主な菌 | Bacillus subtilis・B. licheniformis ほか |
| 食べ方 | チゲ(キムチ・豆腐と煮込む汁物) |
| 呼び方 | 豆だけの物は「生チョングッチャン」 |
食べ方: キムチと煮込む「チョングッチャン・チゲ」
韓国の家庭料理を英語で紹介してきたサイト ZenKimchi の作り方です。煮干しと昆布のだしに、古漬けのキムチと一緒に溶かし込みます。
材料
- チョングッチャン 1パック
- 昆布(約13cm角)1枚・煮干し 10尾
- 古漬けのキムチ 1/2カップ
- 玉ねぎ 1/2個・にんにく 3かけ
- ズッキーニ 1/2本・しいたけ 4枚
- 生の唐辛子 1本・粉唐辛子 小さじ1
- 豆腐 200g・炒め油
作り方
- 昆布と煮干しを水3カップに入れて火にかけ、沸いたらこしてだしを取る
- 鍋に油を熱し、キムチ・玉ねぎ・にんにくを、玉ねぎが少し透き通るまで炒める
- チョングッチャンを入れて、さらに炒める
- だしを注いで煮立てる
- ズッキーニ・しいたけ・唐辛子・粉唐辛子・豆腐を入れて3分煮る
- 火を弱めてあくを取り、ご飯と一緒に
このサイトの書き手は、においの話を隠しません。米国のテレビ番組『Bizarre Foods』で「死体スープ」として紹介されたこと(本当の名前ではない)、ドイツに住む韓国人が部屋で作ったら、においで隣人が警察を呼んだという都市伝説、自分も家で作るのを長く許してもらえなかったことを書いたうえで、「においに慣れただけでなく、今はそれで気分が上がる」と書いています。市場では円盤の形やヨーグルトのような小さな容器で、新しさを売りにして並ぶそうです。
作り方の記録: オンドルの季節の仕込み
韓国の国立民俗博物館の『韓国民俗大百科事典』は、チョングッチャンを「短い期間だけ発酵させた味噌(テンジャン)の一種」と説明しています。
Winter used to be the season for making cheonggukjang, but today, it can be consumed all year round.
(チョングッチャンを作るのは冬だったが、今は1年中食べられている)
- よく煮た大豆を薄い布で包み、わらで作った入れ物に入れ、温かい所に2〜3日置く。
- 粘る糸が出たら、大根・粉唐辛子・塩などを加えて、もう一度寝かせる。
- 料理の主役にも脇役にも使い、そのまま食べることもある。
日本語版ウィキペディアは、オンドル(床暖房)を使う寒い季節に仕込み、煮た大豆にわらを混ぜてふたをし、オンドルで温めると書いています。
菌の研究と「においを抑えたチョングッチャン」
納豆の歴史を集めた Soyinfo Center が、2009年3月までに見た中で朝鮮半島の納豆に触れた最も古い文書は、1971年の韓国微生物学会誌の論文です(英文要旨で「chung-kook-jang」と表記)。自然に作ったチョングッチャンから65株の菌を取り出し(わらで包んだ物から37株、蒸した大豆だけの物から28株)、たんぱく質を分解する力で15株にしぼり、味見の試験で2株を選びました。2株とも枯草菌の変種と判定されています。
2021年の総説(PMC8198423)は、わらに付いている枯草菌で、煮た大豆を40〜50℃に2〜3日保つと書いています。主な菌として B. subtilis と B. licheniformis のほか、乳酸菌の仲間の名前も挙げています。
英語版ウィキペディアによると、1993年に建国大学の Joo Hyun Kyu 博士が、においを抑えたチョングッチャンを考え出し、1998年に特許を取りました。粒の錠剤にした品も韓国で売られています。このサイトでは、体への効き目は書きません。
本では
本『世界の納豆アトラス』では、東アジアの5種の2番目として、日本の納豆と並べています。
出典
- ZenKimchi「Cheonggukjang Jjigae–Revisited」 https://zenkimchi.com/top-posts/cheonggukjang-jjigae-revisited/
- 국립민속박물관『한국민속대백과사전』"Cheonggukjang" https://folkency.nfm.go.kr/EN/topic/detail/8082
- Current Perspectives on the Physiological Activities of Fermented Soybean-Derived Cheonggukjang (2021) International Journal of Molecular Sciences. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8198423/
- Wikipedia "Cheonggukjang" https://en.wikipedia.org/wiki/Cheonggukjang
- ウィキペディア「納豆」(朝鮮半島の節) https://ja.wikipedia.org/wiki/納豆
- Shurtleff W, Aoyagi A (2012) History of Natto and Its Relatives. Soyinfo Center.(No.571 Park & Sung 1971 の要約) https://www.soyinfocenter.com/books/151
このページは2026年10月15日に出典を開いて書きました。料理・製法は記録の紹介です。
