アクニを一言でいうと
インド北東部のナガランド州で、スミ・ナガの人々を中心に作られてきた発酵大豆です。英語では「Axone」と書き、「アクニ」と読みます。スミ語で「アクソ(香り・におい)」と「ネ(深い・強い)」を合わせた言葉で、「強いにおい」という意味です。ナガの料理では調味料としてよく使い、市場で買うほか、家でも作ります。
| どこで | インド・ナガランド州(ミャンマーのナガの人々も) |
|---|---|
| 何から | 大豆 |
| 主な菌 | Bacillus subtilis ほか |
| 食べ方 | 燻製の豚肉と煮る・唐辛子とトマトの漬物・チャツネ |
| 呼び方 | アコーネ(aakhone)・アクニ(akhuni)とも |
食べ方: 燻製の豚肉と、唐辛子と
英語版ウィキペディアは、アクニを使う代表的な料理として、炉で燻した豚肉とアクニの煮物と、タニシのアクニ煮(ヌラ)を挙げています。シッキム大学の Tamang の2015年の総説も、干したアクニの塊を豚肉と煮てご飯の添え物にすること、作りたてのアクニを青唐辛子・トマト・塩と混ぜて漬物にすることを書いています。
北東インドの地元の人を紹介するサイト Roots and Leisure は、アクニを使う人気の料理として、アクニのチャツネ、燻製の豚肉とアクニ、もち米とアクニのチャツネ、牛の皮とアクニを挙げています。
家での作り方(ナガランドの料理人 Inali Jane Ayemi さん)
- 大豆を洗って20〜30分水に浸し、圧力鍋で煮て水を切る
- 煮た大豆をつぶして、ペーストにする
- 小分けにして葉で包み、炉の上に2晩置く。3〜4日天日に干してもよい
- 炉の上か、ふたのできる容器に入れて冷蔵庫で、何か月ももつ
全体でおよそ1週間かかります。ナガランドでは市場で買うことが多く、スミ・ナガの人々が作ったアクニがいちばん好まれる、と記事は書いています。
作り方の記録: 粒のまま、季節で日数が変わる
英語版ウィキペディアは、粒のまま作る作り方を書いています。柔らかく煮た大豆の水を切り、鍋に入れて日なたか火のそばに置くと、夏は3〜4日、冬は1週間ほどで発酵します。そのあとニンニクをつぶすくらいに軽くつぶし、ひとつかみずつバナナの葉にのせて包みます。包みは火のそばで保存し、すぐ使うことも、数週間置くこともでき、日がたつほど色が濃くなります。
Tamang(2015年)によると、葉で包んで炉の上で5〜7日発酵させ、塊にして土のかまどの上で干すか、1粒ずつ分けて2〜3日天日に干して保存します。作りたての物は1週間ほどしかもちません。
においと、2019年の映画『Axone』
2019年、ニコラス・カルコンゴル監督の映画『Axone』が公開されました。英語版ウィキペディアによると、においが強いためにアクニの料理を禁じられたデリーの住宅で、友人の結婚式のためにアクニを料理しようとする北東インド出身の若者たちの1日を描いた作品です。研究者の Dolly Kikon は2015年に、アクニをインドの国の食卓にのせることを論じた論文「Fermenting Modernity」を書いています。
アクニは、イタリアのスローフード財団の「味の箱舟(Ark of Taste)」の目録にも載っています。
記録と菌
Soyinfo Center は、2003年に出たホイヌ・ハウゼルの料理本『The Essential North-East Cookbook』を、「Akhuni」という言葉を使った最も古い文書としています(2012年1月時点)。2009年に Tamang らは、アクニをセマ・ナガの女性が作る物としてまとめました。Tamang(2015年)は、アクニから見つかった菌として枯草菌(B. subtilis)などを挙げています。
本では
本『世界の納豆アトラス』では、インド北東部の11種の5番目に置いています。
出典
- Wikipedia "Akhuni" https://en.wikipedia.org/wiki/Akhuni
- Roots and Leisure「Recipe | Learn How to Make The Famous Axone (Fermented Soyabean) From Nagaland」Shanmi、2019年5月25日(2020年6月18日再掲) https://rootsandleisure.com/fermented-soyabean-axone-inali-jane-ayemi/
- Tamang JP (2015) Naturally fermented ethnic soybean foods of India. Journal of Ethnic Foods 2:8-17. https://doi.org/10.1016/j.jef.2015.02.003
- Slow Food Foundation "Axone" Ark of Taste https://www.fondazioneslowfood.com/en/ark-of-taste-slow-food/axone-fermented-soybeans/
- Kikon D (2015) Fermenting Modernity: Putting Akhuni on the Nation's Table in India. South Asia: Journal of South Asian Studies 38(2):320-335. https://doi.org/10.1080/00856401.2015.1031936
- Shurtleff W, Aoyagi A (2012) History of Natto and Its Relatives. Soyinfo Center.(No.1764 Hauzel H 2003、No.1889 Tamang JP ほか 2009 の要約) https://www.soyinfocenter.com/books/151
このページは2026年10月15日に出典を開いて書きました。料理・製法は記録の紹介です。
