世界の納豆アトラスWeb版

トップ › インド北東部 › グレップ・チュルピ

15/28

The Atlas · インド北東部

グレップ・チュルピ

インドアルナーチャル・プラデーシュ州(タワンの市場で集めた記録)|インド北東部の納豆

グレップ・チュルピを一言でいうと

インド北東部、アルナーチャル・プラデーシュ州の大豆の発酵食品です。2023年の研究では、州の町タワンの市場で集められています。同じ年の別の論文は「家で作られてきた、あまり知られていない大豆の発酵食品」と紹介しています。

どこでインド アルナーチャル・プラデーシュ州(タワンの市場で集めた記録)
何から大豆
主な菌Bacillus subtilis(2023年の調査)
名前「チュルピ」はヒマラヤではふつう、乳から作るチーズの名前

食べ方と、名前の「チュルピ」

ヒマラヤで「チュルピ」と言えば、まずチーズです。英語版ウィキペディアは、チュルピをネパール・ブータン・チベットと北東インドの一部で食べられているチーズで、ヤクや牛の乳から、バターを取った後の乳で作ると説明しています。やわらかい物はご飯のおかずに、とても硬い物は世界で最も硬いチーズの1つとされています。大豆の発酵食品に、なぜこのチーズの名前が付いているのかを書いた記録は、今回は見つかりませんでした。なお、2025年にアルナーチャル州の大豆の発酵食品を調べた論文(Tali・Baruah)は、州の中で部族ごとに呼び名が違い、モンパの人々は「リップ・チュロ(Lip chhuro)」と呼ぶと書いています。

グレップ・チュルピそのものの料理の作り方も、読める資料には見つかっていません。同じアルナーチャル州の、名前の似た「大豆(リビ)のチュルピ」については、インドのバラティダサン大学が公開している発酵食品の資料に作り方が載っています。グレップ・チュルピと同じ物かどうかは、資料からは確かめられません。

  1. 地元の品種の大豆をゆで、湯を切って竹のむしろ(チャラン)に広げる。
  2. まだぬるいうちに塩を加えてよく混ぜる。
  3. 冷めたら入れ物(ション)に入れ、ゾラかバナナの葉でおおい、ふたをして火のそばに置き、ときどき回す。
  4. においが出て、豆が糸を引くようになったら取り出し、ていねいにつぶして小さな山にして天日で干す。つぶして干すのを3回くり返す。
  5. できた物は、干したひょうたんか竹の入れ物で1〜4年しまっておける。

塩を入れること、何年もしまっておけることは、塩を入れずに一晩で作る日本の納豆とはっきり違う所です。

市場と家の物を調べた研究

2023年、インドのシッキム大学の Kharnaior・Das・Tamang の3人は、ヒマラヤ東部の大豆の発酵食品62点を調べ、その中にタワンの市場で集めたグレップ・チュルピ4点が入っています。pH は 7.32。取り出した53株の中から、血の固まりのもとになるたんぱく質(フィブリン)を分解する酵素を作る菌として、B. subtilis が1株見つかりました。

同じ年、Kharnaior と Tamang は、グレップ・チュルピ・ペハ・ペロン・ナムシン・ペルニャンの4つを「アルナーチャル・プラデーシュ州の人々が家で作ってきた、あまり知られていない大豆の発酵食品」として、中の菌を遺伝子でまとめて調べています。4つすべてで B. subtilis がいちばん多く、乳酸菌の仲間もいました。グレップ・チュルピ・ペロン・ナムシン・ペルニャンの3つを、アジアのほかの大豆の発酵食品と比べると、菌の顔ぶれと中の成分にはっきりした違いがあったと書いています。このサイトでは、体への効き目は書きません。

本では

本『世界の納豆アトラス』では、インド北東部の仲間の1つとして、15番目に置いています。

出典

  1. Kharnaior P, Das M, Tamang JP (2023) Therapeutic and Anti-Thrombotic Properties of Some Naturally Fermented Soybean Foods of the Eastern Himalayas. Fermentation 9(2):91. https://www.mdpi.com/2311-5637/9/2/91
  2. Kharnaior P, Tamang JP (2023) Microbiome and metabolome in home-made fermented soybean foods of India revealed by metagenome-assembled genomes and metabolomics. International Journal of Food Microbiology 407:110417.(要旨) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37774634/
  3. Bharathidasan University「Pulse based fermented foods」(13. Soybean (libi) Chhurpi) https://www.bdu.ac.in/schools/biotechnology-and-genetic-engineering/biotechnology/sekardb/pdf/food/3.pdf
  4. Tali M, Baruah PK (2025) Isolation and identification of microorgansims from fermented soybean food - prepared by Adi tribe of Arunachal Pradesh. Indian Journal of Applied & Pure Biology 40(1):393-402. https://www.biology-journal.org/fulltext/v40i1/ijapb40-1-48.pdf
  5. Wikipedia "Chhurpi" https://en.wikipedia.org/wiki/Chhurpi

このページは2026年10月15日に出典を開いて書きました。料理・製法は記録の紹介です。

Official LINE

納豆の話の続きは、公式LINEで

公式LINE「50kgダイエットした主夫社長ひろくん」
このサイトを作っている田中啓之(ひろくん)の公式LINEです

友だち追加公式LINE「50kgダイエットした主夫社長ひろくん」のQRコードスマホで読み取ると
友だち追加の画面が開きます