世界の納豆アトラスWeb版

トップ › インド北東部 › ペロン・アミング/ペロン・ナムシン

16/28

The Atlas · インド北東部

ペロン・アミング/ペロン・ナムシン

インドアルナーチャル・プラデーシュ州東シアン県(パシガットの市場でも売られる)|インド北東部の納豆

ペロン・ナムシンを一言でいうと

インド北東部、アルナーチャル・プラデーシュ州の東シアン県で、アディの女性たちが作ってきた大豆の発酵食品です。ゆでた大豆を大きな葉で包み、台所の火のそばに吊るして寝かせます。アディの言葉で「ペロン」は大豆のことで、包みを吊るす竹の棚も「ペロン」と呼ばれます。

どこでインド アルナーチャル・プラデーシュ州 東シアン県(パシガットの市場でも売られる)
何から大豆(アディの女性は地元の品種を好む)
包むものクズウコンの仲間(Phrynium)の大きな葉
主な菌Bacillus subtilis(2023年の調査)
食べ方ゆで野菜・唐辛子・たけのこの発酵食品と混ぜる/チャツネ

食べ方: ゆで野菜と、たけのこの発酵食品と

2007年に『Indian Journal of Traditional Knowledge』に載った Singh・Singh・Sureja の調査は、アディの女性たちの食べ方をこう書いています。

  • できた豆を、何種類かのゆで野菜と、地元の唐辛子・発酵させたたけのこ・塩と混ぜる。
  • 家によっては、さらにすりつぶしてペーストにし、丸や平たい形にして葉で包み、台所の火のそばに置いておく。パシガットの市場では、この「二度手を加えた」ペロン・ナムシンを、アディの女性たちが売っている。
  • チャツネにすることもあるが、まれ。発酵させた豆のペーストに、地元のトマト・唐辛子(シボルという品種)・地元のしょうが・塩のペーストを混ぜて作る。

アルナーチャル州の料理として、インドの料理団体 Cuisine India Society は、発酵大豆(ペロン)を入れた麺のスープ「トゥクパ」の作り方を載せています。しょうが・にんにく・青唐辛子を発酵大豆と一緒に炒め、季節の野菜を加えて炒め、水を注いで沸かし、麺を入れて煮ます。チベット風のトゥクパと違って発酵大豆で味に深みを出すのが特徴で、地元の青菜(ライ・パッタ)を使うと本場らしくなる、と書いています。

作り方の記録: 葉で包み、台所の棚に吊るす

2007年の論文が書いている作り方です。

  1. 大豆のもみがらを取りのぞき、洗う。
  2. とてもやわらかくなるまで、30〜40分ゆでる。
  3. 竹のむしろ(エポ)に広げて冷ます。
  4. クズウコンの仲間の葉(エッカム、Phrynium pubenerve)に移して包み、竹かつるのひもでしばる。
  5. 台所のそばの竹の棚(ペロン)に吊るして寝かせる。夏は10〜12日、冬は25〜30日。

2025年に、東シアン県のデピ村で集めた物を調べた論文(Tali・Baruah)は、少し違う作り方を書いています。

  1. 大豆250gを2〜3回洗い、1.5リットルの水に一晩つける。
  2. 水を替えて、やわらかくなるまで3〜4時間煮る。
  3. 湯を切り、4〜5分おいて余分な水気を飛ばす。
  4. ドンの葉(Phrynium placentarium)で包み、炉のすぐ上に置いて3〜4日いぶす。
  5. 5〜6日目に発酵が仕上がる。

この論文によると、アディの言葉で大豆は「ペロン・アメ」(ペロン=大豆、アメ=粒)、発酵させた大豆は「ロニャン・ナムシン」(ロニャン=大豆、ナムシン=発酵させる)です。2007年の論文も、アディの女性は改良品種ではなく、地元の大豆の品種(ペロン)を好むと書いています。

菌の研究

2023年のシッキム大学の調査(Kharnaior・Das・Tamang)では、パシガットの市場で集めたペロン・ナムシン14点を調べています。pH は 8.24 で、調べた8つの食べ物の中でいちばん高い値でした。取り出した161株の中から、B. subtilis が見つかっています。同じ年の別の論文(Kharnaior・Tamang)でも、ペロン・ナムシンを含むアルナーチャル州の4つの大豆の発酵食品すべてで、B. subtilis がいちばん多い菌でした。

一方、2025年の Tali・Baruah の論文は、デピ村の1点から、細菌の Sphingomonas paucimobilis と、カビ・酵母の仲間を見つけたと書いています。調べ方も試料の数も違うため、このサイトではどちらが正しいとは書きません。体への効き目も書きません。

本では

本『世界の納豆アトラス』では、インド北東部の仲間の1つとして、16番目に置いています。

出典

  1. Singh A, Singh RK, Sureja AK (2007) Cultural significance and diversities of ethnic foods of Northeast India. Indian Journal of Traditional Knowledge 6(1):79-94. https://nopr.niscpr.res.in/handle/123456789/853
  2. Tali M, Baruah PK (2025) Isolation and identification of microorgansims from fermented soybean food - prepared by Adi tribe of Arunachal Pradesh. Indian Journal of Applied & Pure Biology 40(1):393-402. https://www.biology-journal.org/fulltext/v40i1/ijapb40-1-48.pdf
  3. Cuisine India Society「Thukpa with Fermented Soybeans」 https://www.cuisineindiasociety.in/?p=924
  4. Kharnaior P, Das M, Tamang JP (2023) Therapeutic and Anti-Thrombotic Properties of Some Naturally Fermented Soybean Foods of the Eastern Himalayas. Fermentation 9(2):91. https://www.mdpi.com/2311-5637/9/2/91
  5. Kharnaior P, Tamang JP (2023) Microbiome and metabolome in home-made fermented soybean foods of India revealed by metagenome-assembled genomes and metabolomics. International Journal of Food Microbiology 407:110417.(要旨) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37774634/

このページは2026年10月15日に出典を開いて書きました。料理・製法は記録の紹介です。

Official LINE

納豆の話の続きは、公式LINEで

公式LINE「50kgダイエットした主夫社長ひろくん」
このサイトを作っている田中啓之(ひろくん)の公式LINEです

友だち追加公式LINE「50kgダイエットした主夫社長ひろくん」のQRコードスマホで読み取ると
友だち追加の画面が開きます